【プロキオンS】中京のダート1400mは腹をくくった差し馬に注目

SPAIA編集部

プロキオンS注目の一頭サンライズノヴァ

Ⓒ三木俊幸

谷間のレースでも質の高いメンバーが集うレース

ダート重賞路線を整備するという意図で、1996年に新設されたプロキオンS。2012年には阪神開催から、ダートGⅠ・チャンピオンズCの施行場所でもある中京開催へと移設。

そのチャンピオンズCと東京で行われるGⅠ・フェブラリーSが冬の開催であるのに対して、こちらは7月開催の夏競馬である。地方交流JpnⅠのビッグレース・帝王賞も終わって間のない、いわば谷間のレースとの印象を持たれがちだが、実績馬も酷量を背負うことなく出走可能な別定戦ということで、例年それなりに質の高いメンバーが顔をそろえての一戦となる。

その傾向をレース展開に着目して掘り下げてみることで、的中への道を探ってみたい。

中京1400mの傾向は?

馬場改修によって、大箱の新たなコースへと生まれ変わった中京競馬場。やはり注目すべきは、開催地が中京へと変わった2012年以降の傾向であろう。直線が長くなったにも関わらず、先行有利の競馬が多く見られるようになった中京のダート戦。

ただし、スタート位置が上り坂地点に設定されたことで、スタートダッシュが利きづらくなり、さらには大箱となったことで早めには動いていけない微妙な騎手心理も作用して、前残りの傾向が強まったのが1800m戦だとすれば、1400mは少し違ったものと考えられる。

この条件は、仕掛け遅れの起こりやすい騎手同士の駆け引きは変わりなくとも、芝地点からのスタートなのでテンから加速はつきやすい設定である。枠順の利などを利用して主張すれば、他と比べて格段に先手をとりやすくなった。

さらには、逃げた馬が3コーナーからの下りを利用して淀みないラップを刻みながらも、4コーナーをロスなく回れる器用さ、左回りへの対応力を備えている場合は、これを急加速で捕らえに行こうとする好位勢がコーナーで膨れる現象はよく見られることとなり、これをうまくさばけない差し馬、さらには大外を回らされる羽目となる追い込み馬は不発に終わる。

これが1400mで逃げ切り、前残りが多発するからくりだと思われる。ただし、先行馬がテンからびっしり競り合った場合はその限りではない。早々に手応えをなくして、失速することはやむをえず、漁夫の利を得るのは好位待機組である。

では、差し馬を狙うべきタイミングとは?どういったタイプの差し馬を狙うべきか?先行有利のコース設定を承知しつつも、差し馬台頭の可能性を探ることが、高配当的中を呼び込む一手と成り得るかもしれない。どのデータに注目すべきかとともに見ていきたい。

1400mのデータだけを抽出することは危険

大箱へと変貌した中京コースは、基本的には実力通りに決まりやすい設定である。ただし、距離実績や、近況成績などにとらわれると、その能力比較を見誤る危険も生じてくる。

1400mだけの戦績データを抽出すると、浮上してくるのは地方交流競走で好成績を収めてきた実力馬たちである。一見は小回りをうまく立ち回る器用さを身につけたかのように思われるところだが、交流重賞は実質上位5、6頭で争われる比較的平穏な流れとなることが多い。

そこで常にハナを譲らない競馬を続けていたなら一定の評価は必要だろうが、早仕掛けから伸びを欠いて、着順をまとめただけの戦績なら疑ってみるべきであろう。すなわち距離実績よりも、大箱、左回りでこれまでどういった競馬をしてきたかに注目すべきである。

狙うべき差し馬であるが、先ほども述べたように、4コーナーで他が膨れることで、内にスペースが空くことがよくある。 これを考えて、勝負どころで一呼吸仕掛けを待てることで、コースロスを抑えてインを突けるタイプに注目すべきであろう。腹をくくって内を突ける騎手、馬に注目である。

ミッキーワイルド、サンライズノヴァあたりがどれだけ腹をくくって乗れるのか?今からプロキオンSの4コーナーを楽しみに待ちたい。