【平安S】実績馬を素直に信頼すべし ロードクロンヌ、ナルカミが逆襲データに該当

勝木淳

過去10年のデータから見る平安S,ⒸSPAIA

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ダートの猛者は簡単に席を譲らない

日本国内のダート戦線はフェブラリーステークス以降、地方交流の川崎記念、かしわ記念と距離別にわかれ、JRAではアンタレスS、平安Sと進み、上半期の総決算・帝王賞へと進む。

平安Sは帝王賞の前哨戦的な立ち位置にあり、昨年の勝ち馬アウトレンジは帝王賞で2着に好走した。同時に、間近に迫る帝王賞というよりも、賞金を加算しながらダート重賞を渡り歩き、いずれチャンピオンズカップないしフェブラリーSを目指すというニュアンスも強い。

ダートGⅠは数が少ない上に賞金水準が高く、なかなか計画通り出走にこぎ着けられない。経験を積みながらじっくり強くなり、トップレベルの力を長く維持できる。ダートの一線級を目指す旅は長い。平安Sはその足掛かりをつかむ重賞でもある。

データは2021年、22年の中京開催を含む過去10年分を使用する。


人気別成績,ⒸSPAIA


1番人気は【5-1-0-4】勝率50.0%、複勝率60.0%と圧倒的。半数の勝ち馬を出しており、まずは1番人気の取捨選択からはじめたい。

以下、2番人気【1-2-1-6】勝率10.0%、複勝率40.0%から5番人気【1-1-1-7】勝率10.0%、複勝率30.0%が横一線。ほかに目立つのは7番人気【1-1-0-8】勝率10.0%、複勝率20.0%ぐらいで、上位人気の層は厚い。

10番人気以下も【0-1-3-63】複勝率6.0%と大穴の潜り込みもなくはないが、穴から狙えと主張できるほどのデータはない。

平安Sはダート1900mであり、いくらか紛れる要素がありそうだが、やはりダート中距離の猛者は易々と席を譲ってくれない。そこへ食い込むには確たる実力がなければならず、そうなると自然と人気に推される存在になる。


年齢別成績,ⒸSPAIA


年齢別では4歳【4-3-2-24】勝率12.1%、複勝率27.3%と5歳【6-2-4-38】勝率12.0%、複勝率24.0%のふた世代が中心。ダートとはいえ、もっとも力を発揮できる世代が好走してくる。

とはいえ、6歳【0-3-2-40】複勝率11.1%や7歳以上【0-2-2-25】複勝率13.8%などベテランが連下に入ってくる可能性は残る。

馬券をつくる際は、ベテランを相手に入れないと惜しくもハズレ、といった事態もあり得る。いくら優勢であっても4歳、5歳だけで買い目を固めるのはおすすめできない。


マイル大敗は中距離で一変のサイン

今年のメンバーを前走成績でみると、マーチS2着アクションプラン、ブリリアントSを勝ったタイトニットが目立つが、ダイオライト記念5着ナルカミや名古屋グランプリ3着ハグ、昨年の2着馬でプロキオンSを勝ったロードクロンヌなど実績馬も黙っていない。


前走クラス別成績,ⒸSPAIA


前走GⅠ【1-2-1-4】勝率12.5%、複勝率50.0%のうち、フェブラリーSは【1-1-1-4】勝率14.3%、複勝率42.9%。10着以下が【1-1-1-3】なので、マイルのフェブラリーSで大敗を喫し、中距離のここで巻き返すというシナリオが有効だ。ロードクロンヌはまさにこれに当てはまる。有力候補といっていい。

前走地方【4-3-1-16】で注目はダイオライト記念【3-1-0-5】勝率33.3%、複勝率44.4%だろう。1着【2-1-0-0】に対して6~9着【1-0-0-1】なので、ベストは連勝狙い。だが、負けた馬の一変もあり得る。人気を裏切ったナルカミもJRAの舞台に戻って浮上する可能性を残す。


前走マーチS・着順別成績,ⒸSPAIA


前走マーチS【1-3-1-18】勝率4.3%、複勝率21.7%の着順内訳は2~3着【1-1-0-1】と惜敗組の好走が目立つ。5着【0-1-0-1】、6~9着【0-0-0-7】、10着以下【0-1-0-4】と推移しており、掲示板以内のそこそこ走った馬と、マーチSが合わずに大敗した馬に狙いをつけたい。マーチS2着アクションプランが当てはまる。


前走アンタレスS・着順別成績,ⒸSPAIA


もうひとつ、前走アンタレスS【1-1-3-41】勝率2.2%、複勝率10.9%も着順内訳をみる。こちらは好走数こそ少ないが、傾向はマーチSよりくっきりしている。1着【0-0-0-3】、2~5着【1-1-3-13】、6着以下【0-0-0-25】。惜敗が好走サインと読める。裏を返せば6着以下がデータ上は厳しく、それなりの人気に推されるようなら嫌ってもいい。


過去10年のデータから見る平安S,ⒸSPAIA


《ライタープロフィール》
勝木 淳
競馬を主戦場とする文筆家。競馬系出版社勤務を経てフリーに。優駿エッセイ賞2016にて『築地と競馬と』でグランプリ受賞。主に競馬のWEBフリーペーパー&ブログ『ウマフリ』や競馬雑誌『優駿』(中央競馬ピーアール・センター)にて記事を執筆。Yahoo!ニュースオーサーを務める。『名馬コレクション 世界への挑戦』(ガイドワークス)に寄稿。

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