【皐月賞】昨年も馬券内独占「ノーザンテースト」がアツい 傾向・血統すべてクリアの特注馬を発見
坂上明大

ⒸSPAIA
傾向解説
牡馬クラシック第1戦・皐月賞。クラシック三冠の幕開けを飾るこの一戦は、「最も速い馬が勝つ」とも称される過酷なスピードレースです。
しかし、近年の傾向を紐解くと、単なる速さ以上に「前哨戦との質の差」に対応できるかどうかが、勝ち馬を見極める大きな鍵を握っていることが分かります。本記事では血統面を中心に、皐月賞のレース傾向を整理していきます。
まず紹介したい点は、前哨戦と皐月賞での前半1000mのペース差。前述の通り「多頭数でのハイペースが多い皐月賞」と「少頭数でのスローペースが多い前哨戦」では、求められる適性が大きく異なります。
特に今年はスローペースの前哨戦が多く、過去10年の皐月賞の平均前半1000m59.1秒を切ったレースはひとつもありませんでした。今年は確固たる逃げ馬不在のメンバー構成ではありますが、例年の傾向通りなら大幅なペースアップへの対応力がポイントとなるでしょう。
▼ 皐月賞・主な前哨戦の前半1000m通過タイム
59.3秒 スプリングS
59.5秒 共同通信杯
59.7秒 すみれS
59.9秒 京成杯
60.0秒 若駒S
60.2秒 若葉S
60.4秒 弥生賞
61.3秒 ホープフルS
62.2秒 きさらぎ賞
※皐月賞(過去10年平均)=59.1秒
そして、前述の理由から「前走1800m以下」、また「前走初角3番手以内の先行実績」といった経験が大きなアドバンテージとなります。
過去10年の1番人気で馬券圏外に凡走した4頭を見ても、ワグネリアン、ダノンザキッド、レガレイラの3頭は①にも②にも該当しない馬でした。該当馬のその後の活躍を考えれば、如何に皐月賞で苦戦したかがわかるのではないでしょうか。

<前走条件別成績>
・前走1800m以下【6-3-7-24/40】
勝率15.0%/連対率22.5%/複勝率40.0%/単回収率213%/複回収率124%
・前走初角3番手以内【5-5-5-15/30】
勝率16.7%/連対率33.3%/複勝率50.0%/単回収率171%/複回収率155%
※過去10年/9番人気以内
血統面ではノーザンテーストの血に注目。同馬は1982~88年、90~92年と10度の日本リーディングサイアーに輝いた大種牡馬で、Hyperionの4×3(Lady Angelaの3×2)などから優れた底力を子孫に伝えています。
道悪適性も非常に高く、荒れた馬場になりやすい皐月賞の舞台はピッタリ。昨年はノーザンテースト内包馬が上位を独占する結果となっており、今年も大注目の血統です。
また、ノーザンテーストと同様に、底力が求められる舞台に強いのがデインヒルの血。同血脈は高額2歳GⅠが多いオーストラリアで繁栄した血だけあって早熟性の強化にも繋がっており、世代限定重賞のハイペース戦はまさにピッタリの舞台です。
ただし、日本で種牡馬生活を送るハービンジャーに関してはデインヒルらしさを伝えづらい傾向にあるため、同ラインしか持たない馬は除く必要があるでしょう。

<血統別成績>
・ノーザンテースト内包馬【4-5-2-14/25】
勝率16.0%/連対率36.0%/複勝率44.0%/単回収率157%/複回収率142%
・デインヒル内包馬(ハービンジャー以外)【2-2-2-9/15】
勝率13.3%/連対率26.7%/複勝率40.0%/単回収率66%/複回収率112%
※過去10年/9番人気以内
【注目血統馬】
前記の傾向に合う注目血統馬を2頭ピックアップしました。
・リアライズシリウス
母母ダンスーズデトワールはHighest Honor×ダンシングブレーヴのフランス産馬で、2001年マルセルブサック賞で2着に入った実績馬。母レッドミラベルの3/4同血の兄には2012年アルゼンチン共和国杯優勝馬ルルーシュがおり、ステイゴールド産駒の母自身は牝系のフランス血脈を継続した形です。
ポエティックフレア産駒の本馬は欧州のスピード血脈を注入し、中距離寄りのマイラーに仕上げた配合。デインヒルとノーザンテーストの血を併せ持ち、前走の共同通信杯で先行した経験も大きな強みです。
・アドマイヤクワッズ
3代母Prairie Runnerは芝2500mの仏GⅢ勝ち馬、母母パシフィックリムは芝2400mの仏GⅡ勝ち馬というスタミナ豊富な牝系。そこに母デイトラインがHaloの4×5、リアルスティール産駒の本馬はHaloの4×5・6と日本向きの素軽さを補強した配合となっています。
さらにLyphardやDanzig、Blushing Groom、Nureyev≒Sadler's WellsなどFair Trial血脈も豊富に詰め込んだ機動力に優れた血統。小回りの中距離戦はピッタリの舞台で、前走の弥生賞を3番手で運んだ経験も魅力大です。

《ライタープロフィール》
坂上明大
1992年生まれ、岐阜県出身。元競馬専門紙トラックマン(栗東)。2019年より競馬情報誌サラブレにて「種牡馬のトリセツ」「新馬戦勝ち馬全頭Check!」などの連載をスタートさせ、生駒永観氏と共同執筆で『血統のトリセツ』(KADOKAWA)を上梓。2023年11月には本島修司氏との共同執筆で『競馬の最高戦略書 予想生産性を上げる人の取捨選択の技術』(主婦の友社)を出版。現在はYouTubeチャンネル『競馬オタク』を中心に活動し、パドック解説や番組出演、映像制作、Webメディアでの連載もこなす。
《関連記事》
・【皐月賞】東スポ杯2歳S勝ち馬パントルナイーフ、GⅠ馬ロブチェンは消し ハイブリッド式消去法
・【皐月賞】過去10年のレースデータ
・【皐月賞】共同通信杯組は単回220% GⅠ馬ロブチェンの巻き返しに注目
