【共同通信杯】“シャドーロールの怪物”が見せた圧勝劇 ナリタブライアンの強さが際立った1994年をプレイバック
緒方きしん

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2歳王者ナリタブライアンが圧倒的支持を集める
今週は共同通信杯が開催される。過去にはミスターシービーやアイネスフウジン、エルコンドルパサーらが制したレース。今回はそんな中から1994年の一戦をピックアップ。当時のレースを振り返っていく。(レース名は当時のものを記載)
1994年の共同通信杯は、ナリタブライアンの完全なる一強ムード。前走の朝日杯3歳ステークスは2着に3馬身半差を付ける強い内容だった。
ナリタブライアンはここまで7戦4勝と、すでに3敗していた。しかし1600m以上のレースでは3戦全勝。直近4戦は全て上がり最速で現在2連勝中と勢い、実績ともにトップ。単勝オッズは1.2倍という絶対的な信頼を獲得していた。
2番人気は5戦3勝のアイネスサウザー。すでにOP競走で2勝の実績を持つものの、前走の朝日杯3歳Sでは9着と敗れていた。ナリタブライアンとのタイム差は1.7秒。どこまで差を縮められるか。といったところだ。
さらにデイリー杯3歳S勝ち馬ボディーガード、中京3歳S勝ち馬ドラゴンゼアーなどが集結。ナリタブライアン相手にどこまで迫れるか。ファンはそこに注目していた。
圧勝&完勝 直線半ばで勝利を確信
ゲートが開くと、ナリタブライアンは好スタートを決める。しかし勢いよく外からアメージングレイス、ミツルマサルらがハナを主張する。さらに一息ついてからボディーガードも前に進出。スタート直後から出入りの激しい展開となった。
最終的にボディーガードがハナを奪うと、やや出負けしていたアイネスサウザー、ドラゴンゼアーらも前に。ナリタブライアンは5番手付近で包まれる形となった。
馬群は全長でも6馬身程度と密集。ナリタブライアンはどこで仕掛けるのか。鞍上の南井克巳騎手の手腕に注目が集まる。
最終直線に入ると、馬群が横に広がる。内で囲まれていたナリタブライアンだったが、包囲網が崩れると一気に外に持ち出される。そして前がひらけると一気に加速した。
内で粘る馬や後方から追い込む馬もいるが、ナリタブライアンは他馬の抵抗を物ともせず、加速を続けた。気がつけばセーフティリードを確保。後続も届きそうにない。呆気にとられるような引き離し方だった。
最後は2着に4馬身差をつける完勝。道中同じようなポジションだったアイネスサウザーが2着、最後方から追い込んだハヤテバラモンが3着となった。上がり最速はナリタブライアンの35.1。2位ハヤテバラモンの35.6を大きく上回った。
配当はナリタブライアンの複勝が元返し。さすがに圧倒的1番人気が勝利しただけに、配当は穏当なものとなった。ただ、馬連2.9倍はナリタブライアンと2番人気アイネスサウザーとの組み合わせと考えると、オイシイ配当だったようにも感じる。
いざ飛躍へ ホープフルS勝ち馬ロブチェンが出走
ナリタブライアンはその後、皐月賞を3馬身半差、日本ダービーを5馬身差、菊花賞を7馬身差で勝利し、見事に三冠を達成。レースのたびに着差を広げるその内容は、まさに王者だった。
引退後のナリタブライアンは、父として重賞勝ち馬を送り出すことはできなかった。2世代を遺して胃破裂を発症してこの世を去ってしまった。あまりにも早い別れに多くのファンが涙した。
しかし、種牡馬として成功を収められなかったナリタブライアンも、母の父としては覚醒。オールアズワンが札幌2歳ステークス、マイネルハニーがチャレンジカップを制するなど、存在感を見せた。
今年の共同通信杯には、ホープフルS勝ち馬ロブチェンが出走。7番人気ながら上がり最速という強い勝ち方を見せた。2戦2勝という戦績はナリタブライアンとは異なるが、果たして三冠馬を目指せるような走りを見せられるだろうか。
《ライタープロフィール》
緒方きしん
札幌生まれ、札幌育ちの競馬ライター。家族の影響で、物心つく前から毎週末の競馬を楽しみに過ごす日々を送る。2016年に新しい競馬のWEBメディア「ウマフリ」を設立し、馬券だけではない競馬の楽しみ方をサイトで提案している。好きな馬はレオダーバン、スペシャルウィーク、ゴールドシップ、ドウデュース。
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