【AJCC】スタミナや底力が問われる舞台で輝くRobertoの血 舞台適性高い注目2頭
坂上明大

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傾向解説
中山芝2200m(外)を舞台に行われるAJCC(アメリカジョッキークラブカップ)。特殊なコースレイアウトで施行されるため、中山芝2200m巧者には要注意の一戦です。
同コースで行われる重賞競走はセントライト記念、AJCC、オールカマーの3レース。古馬重賞の2つはともに別定戦のためリピーターが走りやすく、素直にコース実績を信頼していいレースといえるでしょう。
◆中山芝2200m重賞の複数回好走馬
ゼーヴィント:16年セントライト記念2着、17年AJCC2着
タンタアレグリア:17年AJCC1着、17年オールカマー3着
ミッキースワロー:17年セントライト1着、18年AJCC2着、19年オールカマー2着
ダンビュライト:18年AJCC1着、18年オールカマー3着
ステイフーリッシュ:20年AJCC2着、20年オールカマー3着
ラストドラフト:20年AJCC3着、21年AJCC3着
ボッケリーニ:22年AJCC3着、24年AJCC2着
コスモキュランダ:24年セントライト記念2着、25年AJCC3着
血統面での注目はSadler’s Wells。もともと後半の持続力勝負になりやすいコースですが、AJCCは連続開催の最終日にあることから、よりスタミナや底力が必要な舞台となっています。そこで強さを発揮するのが欧州で最大勢力を築くSadler’s Wellsであり、過去10年で6頭の勝ち馬を輩出するなど圧倒的な実績を残しています。
また、同様の理由からRobertoも注目血統のひとつ。元来、Sadler's WellsとRobertoは好走条件が似ており、AJCCにおいても両馬の馬力やスタミナは大きなアドバンテージとなっています。
特に、Roberto系ではシンボリクリスエス→エピファネイアなどが出るKris S.系よりもブライアンズタイムやSilver Hawk、リアルシャダイなどのスタミナ系統の方が強さを発揮するため、Roberto系の分類にも注目してみるといいでしょう。
日本の最大勢力であるサンデーサイレンス系ではステイゴールドに注目。こちらも、このレースに限らずSadler's WellsやRobertoとは好走条件が似ているため、2022年11番人気で2着と激走したマイネルファンロン(父ステイゴールド)など複数の穴馬が好走しています。

<血統別成績(過去10年)>
Sadler's Wells【6-2-1-25/34】
勝率17.6%/連対率23.5%/複勝率26.5%/単回収率219%/複回収率81%
Roberto【5-6-4-41/56】
勝率8.9%/連対率19.6%/複勝率26.8%/単回収率41%/複回収率100%
ステイゴールド【0-3-4-15/22】
勝率0.0%/連対率13.6%/複勝率31.8%/単回収率0%/複回収率172%
注目血統馬
前章で取り挙げた傾向に合う注目血統馬を2頭ピックアップしました。
☆チャックネイト
北米のパワーとスピードを強化してきた牝系に属し、母ゴジップガールは2009年アメリカンオークスを制したDynaformer産駒。母自身がRoberto系×Kingmambo系というパワー強化型の配合形で、ハーツクライ産駒の本馬も立ち肩のパワー型中距離馬に出ています。
AJCCは2024年に重賞初勝利を果たした得意舞台。中山芝2200m適性についてはメンバー中屈指の一頭です。
☆マイネルエンペラー
全姉にユーバーレーベン(2021年オークス)、3/4同血の兄にマイネルファンロン(2021年新潟記念)がいる一族。父にステイゴールド系ゴールドシップ、母母父にRoberto系ブライアンズタイムというスタミナ豊富な血を併せ持つ反面、Haloの4×5からスピード面も補強したバランスの良い血統表にまとまっています。
コースの得手不得手は少ないタイプですが、2025年日経賞を制した中山競馬場は特に良さが活きる舞台ではないでしょうか。

《ライタープロフィール》
坂上明大
1992年生まれ、岐阜県出身。元競馬専門紙トラックマン(栗東)。2019年より競馬情報誌サラブレにて「種牡馬のトリセツ」「新馬戦勝ち馬全頭Check!」などの連載をスタートさせ、生駒永観氏と共同執筆で『血統のトリセツ』(KADOKAWA)を上梓。2023年11月には本島修司氏との共同執筆で『競馬の最高戦略書 予想生産性を上げる人の取捨選択の技術』(主婦の友社)を出版。現在はYouTubeチャンネル『競馬オタク』を中心に活動し、パドック解説や番組出演、映像制作、Webメディアでの連載もこなす。
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