【阪神JF】地味な戦歴は安定感の裏返し タイセイボーグの“堅実さ”に期待
逆瀬川龍之介

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ここ4年で3連単10万円超が3回
ひと昔前は牝馬限定戦にしては平穏だった阪神ジュベナイルフィリーズだが、近年はにわかに荒れている。3連単の配当を見ると、ここ4年で3回が6桁。伏兵が少なくとも1頭は馬券に絡む状況が続いているのだ。
そこで今回は2015年以降の直近10回において、単勝オッズ10倍以上で馬券に絡んだ10頭をチェック。共通項を見つけ出し、今年の好配プレゼンターを紹介したい。
■キャリア4戦以内
2歳戦では経験が生きることも多いが、阪神JFにおいては使われ過ぎているのも考えものだ。事実、該当10頭は全馬がキャリア4戦以内。また、うち8頭は全てのレースで馬券圏内を確保=4着以下の経験がなかった。
例えば、2022年に10番人気で3着に激走したドゥアイズ。直近の2戦で2着→2着と奮闘しながらも連敗を喫していたことで、連勝中の馬に比べて人気を落としていたが、それは間違い。むしろ崩れていない安定感を評価したい。
<今年の該当馬>
・アランカール
・アルバンヌ
・ギャラボーグ
・コスモレッド
・サンブライト
・スウィートハピネス
・スタニングレディ
・タイセイボーグ
・フロムレイブン
・ホワイトオーキッド
・マーゴットラヴミー
・ミツカネベネラ
・ラスティングスノー
■前走芝1600m以上
ファンタジーステークスから連勝したダノンファンタジーやレシステンシアのような例もあるが、阪神JFは基本的に「前走で長い距離を使っている馬が有利」なレースだ。
伏兵も例外ではなく、該当10頭のうち8頭が前走マイル以上からの臨戦だった。したがって距離延長組は割り引きたい。
<今年の該当馬>
・アランカール
・アルバンヌ
・ギャラボーグ
・サンブライト
・スウィートハピネス
・スタニングレディ
・タイセイボーグ
・バースデイフライト
・ヒズマスターピース
・ホワイトオーキッド
・マーゴットラヴミー
・マルガ
・ミツカネベネラ
・レディーゴール
■ノーザンファーム生産
最後は意外でも何でもないが、阪神JFではノーザンファームの生産馬が強い。直近10回の馬券圏内30頭のうち、過半数の17頭を占めているのだからとんでもない寡占状態だ。
そして、この状況は伏兵にも当てはまる。該当10頭のうち実に5頭がノーザンF生産馬だった。ちなみに、昨年はアルマヴェローチェ、ビップデイジー、テリオスララで決まり、単勝10倍以上だったノーザン生産馬のワンツースリー。2年連続もあるか、注目だ。
<今年の該当馬>
・アランカール
・アルバンヌ
・ウィングブルー
・ショウナンカリス
・スターアニス
・タイセイボーグ
・マルガ
直近2戦の内容を評価
ノーザンF生産馬は今年7頭が登録しているが、各条件をクリアしており、配当妙味も期待できるのがタイセイボーグだ。
デビュー戦を勝った後はダリア賞(OP)2着、新潟2歳ステークス(GⅢ)2着、アルテミスステークス(GⅢ)3着と、連勝中の馬に比べると少々地味なプロフィール。ただ、ここ2戦の中身は濃い。
新潟2歳Sでは、後にファンタジーSを制するフェスティバルヒルに先着。アルテミスSも展開不向きのなか、上がり3Fはメンバー中最速となる33秒7をマークしているのだ。
スタートに課題を残すものの、仮に後方からとなっても阪神外回りなら大きな問題はなし。持ち前の堅実な走りで、ここも勝ち負けに食い込んでくるとみた。
馬券は3連複。1頭軸でアランカール、アルバンヌ、ショウナンカリス、スターアニス、ヒズマスターピース、マーゴットラヴミーに流して好配ゲットといきたい。
《ライタープロフィール》
逆瀬川龍之介
国内の主要セール、GIのパドックはもちろん、時には海外のセリにも足を運ぶ馬体至上主義のライター。その相馬眼を頼りにする厩舎関係者、馬主は少なくない。一方、マニアック、かつ実用的なデータを駆使して、ネット媒体や雑誌などにも寄稿するなど、マルチな才能を持っている。
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