【七夕賞】メンバー屈指のハイレベル戦経験馬 京大競馬研の本命はコスモフリーゲン
京都大学競馬研究会

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簡単には前から残せないコース形態
7月13日(日)に七夕賞(GⅢ)が行われる。新潟大賞典勝ち馬シリウスコルトをはじめ重賞好走歴のあるメンバーから重賞初挑戦の馬まで集結。例年同様、大きく実績の抜けた馬はいない混戦模様の一戦となった。
以下では、本レースが行われる福島芝2000mのコース形態とそれに起因するレースの質、そして想定される展開を踏まえ予想する。
まずは福島芝2000mのコース形態をみる。4コーナーポケットからスタートし、初角までの距離は約500m。平坦な1、2コーナーを回り、向正面直線に入ると緩やかな上り坂、3~4コーナーはスパイラルカーブで残り400m付近から下り坂だ。ラスト150m付近から再度上り坂で、最終直線は297.5m(Bコース使用時)。これが今回のコースレイアウトだ。
まず注目すべきは初角までの距離が約500mと長い点だ。発走直後は下り坂になっており、序盤の先手争いは長引きやすくペースが上がりやすい。平坦な1、2コーナーを回り、向正面の緩やかな上り坂に入ってようやくペースが落ち着く。
3コーナー中盤から先行勢が再度加速していき、ここから下り坂を経て最後の上り坂を迎えるまでラップも加速する。序盤の長い先手争いと起伏の多いコース形態で先行負荷がかなり高いため、道中は中団以降で脚を溜め、タフに末脚を伸ばせる差し脚確かな馬が有利になる。ただ、3~4コーナーがスパイラルカーブとなっていて、先行勢がスピードを保ったまま直線に向かうと外に振られやすく、その外々を回す差し馬は距離ロスが大きくなりすぎてしまう。さらに最終直線も297.5mと短いため、4角時点である程度前目のポジションが必要となる。
したがって、道中は中団以降で脚を溜め、出来るだけ内ラチ沿いをロスなく追走し、4角時点である程度前目のポジションを取り、イン差しする形で末脚を伸ばせる馬が恵まれやすいというのがこのコースが持つレースの質だ。

<七夕賞 上がり順位別成績>
上がり5位以内
【10-8-7-29】勝率18.5%、連対率33.3%、複勝率46.3%
単勝回収率299%、複勝回収率217%
※過去10年
この傾向は数字にも表れている。七夕賞における上がり3F5位以内馬の成績は上記の通り優秀だ。馬券内30頭中25頭、連対馬の20頭中18頭を占めており、メンバー上位の上がりを使えなかった先行馬の前残りは目立たない。
メンバー上位の末脚を使う地力に加え、流れるペースに対応する追走力と道中ロスなく立ち回る器用さ、4角で前目まで位置を押し上げられる機動力、内から馬群を割って差した経験を重視し、印を打っていく。
先行馬の数ほど流れない展開
続いて今回想定される展開から恵まれる馬を考える。メンバー構成は前走通過順位に3番手以内のある先行馬が7頭と出走馬全15頭に対してそれなりに多い。ただ、そのうち3頭が距離短縮馬であり、徹底先行タイプは多くない。ペースが上がりやすいコース形態を考慮してもハイペースとまではいかず、ミドルからややハイペース程度だろう。
この展開でも恵まれるのはやはり、道中中団以降で脚を溜め、内ラチ沿いをロスなく追走し、4角までに前目のポジションを取ってイン差しで末脚を伸ばせる馬だ。
今年は例年のAコース4日目での施行とは異なり、Bコース替わり初週での施行となる。ハイペースとまではいかない展開と合わせて、例年以上に4角時点で前目に位置取ることが重要だ。この点も踏まえて印を打っていきたい。
メンバー屈指のハイレベル戦経験馬
◎コスモフリーゲン
今回のメンバー屈指のハイレベル戦経験馬。5走前の3勝クラスは逃げて0.3秒差4着。上位3頭は次走以降重賞で好走するリフレーミング、セレシオン、キングズパレスと、3勝クラスとしてはハイレベル戦だった。4走前にも差し有利な展開を先行してキングズパレスとタイム差なし2着。2走前も差し有利な展開を先行し、次走福島牝馬Sを勝利するアドマイヤマツリに0.1秒差2着。近走は重賞級のポテンシャルを示し続けている。
昇級を決めた前走はトップハンデを背負いながらも好位から抜け出し、ラスト5F12.0-11.6-11.5-11.5-11.5の一度も減速しない優秀なラップで2着に0.3秒差の快勝。まだまだ上積みに期待できる内容だった。今回、距離短縮の分自然と差しに回る形で、スムーズに能力を発揮すれば勝ち負け必至とみる。
◯ドゥラドーレス
メンバー最上位の瞬発力を持つ。3走前は長期休養明けで完全に度外視可能な敗戦。中団後方から常に堅実な末脚を使えるタイプで、2走前と前走の内容を見ても今回のメンバーでは能力上位。前走で展開が向いた分オッズ妙味はやや薄いが、順当に好走可能。
▲ニシノレヴナント
前走こそ評価できない内容だったが、2走前のアドマイヤテラと0.1秒差2着からすれば能力を発揮した敗戦ではなかった。3勝クラスを勝利した際の時計、上がりも優秀。かなりオッズ妙味が見込まれる。
△リフレーミング
前走は内前有利な展開で度外視可能。2走前の内容だけ走ればここでも能力は上位。
×シルトホルン
安定した先行力で常に好位から堅実な末脚を使える。ここもスムーズに先行できれば。
×セブンマジシャン
課題の追走力をカバーできる距離延長はプラス材料。ここは中団前目から。
買い目は◎単勝1点、◎-◯▲△馬連3点、◎-◯▲-◯▲△×3連複7点で勝負する。
▽七夕賞予想▽
◎コスモフリーゲン
◯ドゥラドーレス
▲ニシノレヴナント
△リフレーミング
×シルトホルン
×セブンマジシャン
◎2024年勝負買い目個人成績(東海S~ホープフルS:25記事)
・単勝27点→4830円 回収率178.9% 的中率37.5%(的中9R/推奨24R)
・馬連105点→12480円 回収率118.9% 的中率42.9%(的中9R/推奨21R)
・3連複204点→22410円 回収率109.9% 的中率17.4%(的中4R/推奨23R)
《ライタープロフィール》
京都大学競馬研究会
今年で30周年を迎える、京都大学の競馬サークル。馬主や競馬評論家など多くの競馬関係者を輩出した実績を持つ。また書籍やGⅠ予想ブログ等も執筆。回収率100%超えの本格派が揃う。
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