【日本ダービー】「東スポ杯2歳S4着以内のノーザンF生産馬」は複回収率145%! データで導く穴馬候補3頭
鈴木ユウヤ

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データで見る「穴候補3頭」
今週日曜はいよいよ日本ダービーが行われる。2022年に生を受けたサラブレッドの頂点を決める大一番だ。2歳時に圧倒的な強さを見せ、皐月賞では単勝1.5倍の支持を集めたクロワデュノール、同馬に土を付けた皐月賞馬ミュージアムマイル、東京替わりで逆転を期す共同通信杯勝ち馬マスカレードボールの3頭が人気の中心となりそうだ。
しかし想定4番人気以下の面々もさすがダービーだけあって粒ぞろいだ。馬券圏内に割って入るのはどの馬か。様々な切り口のデータを駆使して3頭の穴候補を導き出した。
皐月賞組は「消去法」で絞り込める? ジョバンニ
まず1頭目はジョバンニ。キャリア6戦でまだ重賞タイトルこそないが、昨年末にホープフルSで2着に入った実力馬。前走の皐月賞でも7番人気4着と健闘した。

日本ダービーを予想する上でポイントとなるのは当然、クラシック一冠目・皐月賞組の取り扱い。データ的には「来るパターン」より「来ないパターン」の方が明確に出ていて、ここは「消去法」が有効となる。
具体的に言うと、前走皐月賞で9着以下だった馬は【0-0-0-32】、9番人気以下だった馬も【0-0-0-33】(過去10年。以下同じ)とそれぞれ全滅。上記(と昨年皐月賞で競走除外だったダノンデサイル)を除いた皐月賞組は【7-9-7-25】複勝率47.9%、複回収率110%と黒字域に入る。
さらにジョッキーが継続騎乗するケースに限れば【6-9-7-15】複勝率59.5%、複回収率137%。改めてまとめると、皐月賞で「8着以内」「8番人気以内」かつ「ダービーでも同じ騎手が乗る」と非常に好走率が高くなる。今年の該当馬はクロワデュノールとジョバンニだ。
皐月賞は全体的にゴチャゴチャしたレースで、道中不利を受けた馬が複数いた。なかでもジョバンニは向正面でニシノエージェントに寄られ、クロワデュノールの小さな動きで前をカットされ、外のミュージアムマイルと接触してバランスを崩すシーンがあった。それで0.4秒差なら、逆転不可能なほどの力量差はない。
「東スポ杯2歳Sの4着以内馬」は複勝率50.0% ファイアンクランツ
続いて青葉賞2着馬ファイアンクランツを取り上げる。2歳時には札幌2歳Sでマジックサンズ、アルマヴェローチェに次ぐ3着に入り、東スポ杯2歳Sでも4着と善戦した。
この「東スポ杯2歳S」がJRA2歳重賞でトップクラスの出世レース。勝ち馬にはディープブリランテ、ワグネリアン、コントレイルらダービー馬のほか、“世界最強馬”イクイノックスも名を連ねている。

データ的にも「東スポ杯2歳Sの4着以内馬」は翌年のダービーで【2-2-3-7】複勝率50.0%、複回収率117%と好成績だ。特にノーザンファーム生産馬なら【1-2-2-3】複勝率62.5%、複回収率145%までアップする。
これはクロワデュノールの加点要素にもなるが、0.4秒差4着だったファイアンクランツも侮れない。当時は1000m通過60.9秒からレース上がり33.4秒のスローペースで、後方勢は到底届かない展開であった。2400mは歓迎のタイプで、当時より着差を詰められる望みはある。
東京芝2400mの3歳戦はキズナ産駒を狙え! サトノシャイニング
最後にサトノシャイニングの名前を挙げる。前章までに紹介した「皐月賞で8着以内かつ8番人気以内」「東スポ杯2歳Sの4着以内馬」という点にも該当しており、触れないわけにはいくまい。

サトノシャイニングを補強するデータはもうひとつある。それが「キズナ産駒の東京芝2400m成績」。通算【4-12-11-67】で勝率は高くないが、単回収率130%、複回収率109%とプラス収支になっている。特に3歳戦では【3-9-8-41】複回収率152%と妙味抜群だ。
こちらも皐月賞で不利を受けた1頭。1コーナーの入りでマスカレードボールとフクノブルーレイクが接触した事象のアオりを受け、向正面でもニシノエージェント→ジョバンニ→ミュージアムマイルの玉突きで内から押圧される不利。それに加えて、内有利の馬場で16番枠から外々を回されたコースロスもあった。
ジョバンニ同様、こちらも不利があって着差はわずか0.4秒。全くもって逆転を諦めるような差ではない。
《ライタープロフィール》
鈴木ユウヤ
東京大学卒業後、編集者を経てライターとして独立。中央競馬と南関東競馬をとことん楽しむために日夜研究し、Xやブログ『競馬ナイト』で発信している。好きな馬はショウナンマイティとヒガシウィルウィン。
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