【フローラS】重視したい「1勝クラス実績」 倒した牡馬の質が高いヴァルキリーバースが本命
東大ホースメンクラブ

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5月末の大舞台に向けて
27日、東京競馬場ではフローラS(GⅡ)が行われる。重賞で連続3着のエストゥペンダやフェアリーS2着のティラトーレ、2勝馬でフラワーC3着のゴーソーファーなど既に牝馬限定重賞で好走している馬のほか、1勝クラスを勝利したヴァルキリーバース、ルクスジニア、ブラックルビーなど、フルゲート18頭での戦いとなる。
2着までにオークスの優先出走権が付与される重要なステップレース。一方で、過去10年の1番人気は【1-2-0-7】と苦戦気味。3連単平均配当も約16万円と波乱気味のレースでもある。果たして、今年はどの馬が大舞台への権利を獲得するのか、過去10年のデータから検討する。
重賞好走歴より1勝クラスの実績

<フローラS・前走クラス別成績>
新馬・未勝利【0-2-2-34】勝率0.0%/連対率5.3%/複勝率10.5%
1勝クラス【6-2-3-59】勝率8.6%/連対率11.4%/複勝率15.7%
重賞【3-6-5-35】勝率6.1%/連対率18.4%/複勝率28.6%
フローラSは2歳時から活躍しつつもオークスへの賞金が足りない馬と、3歳になってから条件戦を勝ち進んできた馬の対戦になることが多い。では、どちらの勢力が優勢なのか見ていこう。
まずは格上挑戦となる前走新馬・未勝利組。やはり成績は低調で、当日5番人気以内でも【0-1-2-5】と凡走が多い。また、前走で着差0秒3差以上つけていた馬も【0-1-1-8】と振るわない。
該当馬のなかで人気になりそうなロジャリーマインは新馬戦がアマキヒの2着、前走は後方からのマクリで勝利とインパクトはあるが、時計は平凡。加えて、前走のメンバーもその後に芝で勝ち上がったのは1頭だけで、あまり強調できない。
ボリュームゾーンとなっているのは前走1勝クラス組で、最多の6勝を挙げている。その1着馬が【5-1-0-15】、2着が【1-1-2-9】と順当に好走馬の信頼度が高い。
また、勝ち馬は着差も重要で、0秒1差以上で【4-1-0-9】、タイム差なしの勝利だと【1-0-0-6】だ。ヴァルキリーバース、ルクスジニア、ブラックルビーは押さえておこう。
前走重賞組はそれ以上に複勝率が高い。ただし、2着馬が【0-0-0-4】と全滅しているのに対し、2桁着順でも【1-1-0-7】と素直にいかない面を持っている。
レース別で見るとフラワーC組が【2-2-4-13】複勝率38.1%と素晴らしく、こちらは5着以内【2-2-3-5】や今回5番人気以内【1-2-3-1】などが好データ。中山芝1800mと東京芝2000mは特徴の異なるコースだが、実力で通用しているといったところか。
一方、同じ東京開催のクイーンC組は【0-2-1-5】と案外。複勝率37.5%は悪くないが、こちらは今回4番人気以内でも【0-1-1-3】と物足りない。
そこでクイーンC組の参戦を振り返ってみると、過去8例全てが前走で差し追込の競馬をしていた馬だった。フローラSは前有利の傾向があり、その点でそぐわない面もあったか。となると、2戦連続で追込が決まったエストゥペンダは黄信号。人気を集めるそうな点も踏まえ、思い切って消しとしたい。それよりは先行での重賞実績があるティラトーレに魅力を感じる。
また、前走重賞組の中でも、それ以前に1勝クラスの実績があるかは重要なファクターとなる。「2走前までに芝1600m以上の1勝クラスで3着以内がある馬」は【1-6-2-12】複勝率42.9%で、当日5番人気以内だと【0-4-1-2】で同71.4%を誇る。勝利こそないが過半数が連対しており、ゴーソーファーは狙い目だ。
前走負かした相手強い
◎ヴァルキリーバース
昨年6月の新馬戦は4着。当時クビ差のボンヌソワレはその後フィリーズレビューで3着に好走するなど、2歳6月らしいハイレベル戦であった。
また、未勝利戦は着差こそクビ差だったが、当時4着のリトルジャイアンツはその後若竹賞を勝利し、共同通信杯でも3着に入っている。
前走のフリージア賞はスタートこそ今ひとつだったが、800m付近から位置を押し上げ2番手へ。前半1000mが1分1秒台、600m~800mが12秒4とやや緩んでいたとはいえ、このタイミングで動いて直線も後続と同じ脚色のまま押し切った。
2着ダノンシーマは次走でアザレア賞を勝利し、3着フクノブルーレイクもスプリングSで2着と激走。牡馬相手の実績ではメンバー内トップだ。能力だけで押し切れる。
◯ゴーソーファー
3走前のサフラン賞を除けば好内容のレースをしている。2走前の1勝クラス戦は唯一上がり3ハロン34秒台の脚を使って差し切り勝ち。後の弥生賞3着馬アロヒアリイを下した。
前走・フラワーCでは直線の伸びでパラディレーヌには劣ったものの、後続には0秒2差をつける3着。距離短縮ながら格好はつけた。2000mに戻る今回は舞台好転。やや後方からの競馬が多い点が気がかりではあるが、こちらも◎と同じく能力は相当のものがある。
▲ブラックルビー
こちらも1勝クラスを勝っている2勝馬。前述の2頭とは異なり牝馬限定戦でメンバーレベルは強調できないものの、前走の走破時計1分47秒1は優秀で、これは同日の未勝利戦1分47秒9や翌日の2勝クラス戦1分48秒8と比べてもかなり速い決着だった。
また、前走の3着馬ノビリシマビジョンが次走でミッキーマドンナらを抑えて勝利している点も価値が高い。重賞級との対戦経験はないが、通用しても不思議はない。
以下、ロートホルン、ルクスジニア、ティラトーレまで印を回す。買い目は◎から印5頭への馬連と、◎◯2頭軸の3連複で勝負する。
▽フローラS予想▽
◎ヴァルキリーバース
◯ゴーソーファー
▲ブラックルビー
△ロートホルン
×ルクスジニア
×ティラトーレ
《ライタープロフィール》
東大ホースメンクラブ
約30年にわたる伝統をもつ東京大学の競馬サークル。現役東大生が日夜さまざまな角度から競馬を研究している。現在「東大ホースメンクラブの愉快な仲間たちのブログ」で予想を公開中。
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