【京都記念】3つの好データ持つチェルヴィニアらを推奨 信頼度高い「前走海外組」プラダリアにも注目

門田光生

京都記念の年齢別成績(過去10年),ⒸSPAIA

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ビワハヤヒデも制したレース

16日、京都競馬場で京都記念が行われる。先週は積雪のため土曜の京都開催が中止になってしまった。雪と京都記念で思い出すのは、ビワハヤヒデが勝った1994年(この年は阪神開催)。京都記念自体は通常通り行われたが、同日の東京開催が雪で中止になり、翌日の開催へ。

同日に行われる予定だった共同通信杯の出馬表には、ビワハヤヒデの弟ナリタブライアンの名前があり、「同日兄弟重賞制覇」の快挙がかかっていたが、これにより実現せず。結局、ナリタブライアンは翌日、1番人気に応えて快勝。2日連続での兄弟重賞制覇となった。

ここからは京都記念について、過去10年の成績を基に検証していきたい(※阪神開催の2021~23年のデータも含む)。

☆所属
美浦所属馬2勝(3連対)、栗東所属馬8勝(17連対)。勝率、連対率、複勝率はいずれも栗東所属馬が上回っている。

所属別成績,ⒸSPAIA


☆性別
牡馬、セン馬が8勝(15連対)、牝馬が2勝(5連対)。牡馬も悪くないが、勝率、連対率、複勝率のすべてで牝馬が上回っている。ここは牝馬優勢としたい。

性別成績,ⒸSPAIA


☆年齢
勝率は5勝を挙げている5歳馬がトップで、連対率は11頭の連対馬を出している4歳馬がトップ。この2世代が中心となる。6歳馬からは勝ち馬が出ておらず、8歳以上はすべて馬券圏外に沈んでいる。

年齢別成績,ⒸSPAIA


☆前走クラス
馬券に絡んでいるのは、重賞組か海外組。海外帰りは4頭しか出走例がないものの、4頭とも3着以内と結果を出している。また、前走GⅠ組の好走率も良く、これもプラスデータと考えていいだろう。

前走レース別では、有馬記念組が最多の2勝、中山金杯組が最多の4連対だったが、今年はどちらも該当馬がいない。

前走クラス別成績,ⒸSPAIA


☆前走着順
前走5着以内を比較する。最も多くの連対馬(4頭)を出し、勝率、連対率もトップである前走5着馬に注目したい。

前走着順別成績,ⒸSPAIA


☆前走人気
前走で3番人気、4番人気に支持されていた馬の連対率がそれぞれ30%を超えている。なお、前走海外の馬は除いている。

前走人気別成績,ⒸSPAIA


☆前走馬体重
499kg以下と500kg以上に差があり、勝ち馬のうち9頭は前走499kg以下だった。なお、前走馬体重が記録されていない一部の海外レースから臨戦した馬は除いている。

前走馬体重別成績,ⒸSPAIA


☆前走距離
前走が1800m以下だった馬からは連対馬が出ていない。

前走距離別成績,ⒸSPAIA


前走海外組の扱いをどうするか

京都記念のデータをまとめてみよう。

【好走率アップ】
A「栗東所属馬」
B「牝馬」
C「4歳か5歳」
D「前走海外かGⅠ」
E「前走5着」
F「前走3番人気か4番人気」

【勝ち馬なし】
G「6歳」
H「前走馬体重500kg以上」

【連対馬なし】
I「8歳以上」
J「前走重賞以外」
K「前走1800m以下」

今年の登録馬は13頭。うち、連対馬が出ていないI、J、Kに該当するのが7頭だった。これらを除いた6頭を見ていく。

まず、今回のプラスデータを勝率順に並べてみる。結果は、D(前走海外)>C(5歳)>E>D(前走GⅠ)>C(4歳)=F(前走3番人気)>B>F(前走4番人気)>Aの順となった。

プラスデータを3つ、かつ連対馬なしのマイナスデータを持たないのはショウナンバシット(ACF)、チェルヴィニア(BCD)だ。この2頭の比較では、勝率が上から2番目のC(5歳)を持つショウナンバシットを上に取りたい。

たが、ショウナンバシットは翌週のダイヤモンドSに出走する可能性が高い模様。したがって、「出走してくれば」という条件付きでの本命候補だ。相手筆頭はチェルヴィニアとする。

続いて、プラスデータを連対率順に並べると、D(前走が海外)>F(前走3番人気)>E>C(4歳馬)>F(前走4番人気)>B>D(前走GⅠ)>C(5歳馬)>Aとなる。

プラスデータを2つ持つのは、セイウンハーデス(AE)、ソールオリエンス(CD)、プラダリア(AD)、マコトヴェリーキー(AC)の4頭だ。セイウンハーデスとプラダリアは勝ち馬なしのデータG「6歳」を持っているが、3番手以下のここでは関係なしとする。

まずはプラダリア。該当馬のすべてが馬券に絡んでいる「D(前走海外)」を持っているのが最大の魅力。これまで4頭と母数は少ないが、同馬が走った香港ヴァーズ組は2017年に1着サトノクラウン、2着スマートレイアーと結果を残している。

京都記念は過去10年の平均出走頭数が12頭に満たないため、どのデータもサンプルが少ない。よって、今回はこの海外帰りのデータを信頼してプラダリアを3番手とする。

続いて、連対率では上から3番目のE「前走5着」を持つセイウンハーデスについて。もう1つのデータA「栗東所属馬」は強くないが、E「前走5着」は連対率36.4%と優秀。これが4番手だ。

残ったソールオリエンス(CD)とマコトヴェリーキー(AC)だが、共通のC「5歳馬」を持つ。もう1つのプラスデータ比較では、D「前走GⅠ」>A「栗東所属馬」なので、ソールオリエンスが5番手、マコトヴェリーキーは6番手とする。

◎ショウナンバシット
◯チェルヴィニア
▲プラダリア
△セイウンハーデス
×ソールオリエンス
×マコトヴェリーキー

《ライタープロフィール》
門田 光生(かどた みつお)
競馬専門紙「競馬ニホン」で調教班として20年以上在籍。本社予想などを担当し、編集部チーフも兼任。現在、サンケイスポーツにて園田・姫路競馬を中心に予想・記事を執筆中。
文中でナリタブライアンが出てきましたが、共同通信杯を走るまで、すでに7戦を消化していました。素質馬がこの時期にこれだけのキャリアを重ねることは、今では考えられないですね。

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