【中山記念】前残り傾向を生かせる確かな先行力 東大HCの本命はソーヴァリアント
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2回中山開幕週を彩る好カード
今週日曜、中山競馬場を舞台にGⅡ中山記念が行われる。昨秋のマイルCSと香港Cで連続2着に好走したダノンザキッド、4歳シーズン始動戦にここを選んだ秋華賞馬スタニングローズ、宝塚記念2着以来の実戦となる古豪ヒシイグアス、輝きを取り戻したいNHKマイルC覇者シュネルマイスター、チャレンジCを連覇したソーヴァリアントなど、現役でも指折りの実力馬が勢ぞろい。2回中山開幕週を彩る好カードが組まれた。
昨年のパンサラッサをはじめ、勝者が国内外のGⅠで大活躍している出世レース。今週も過去のデータを参考に馬券戦略を考えていく。
典型的「前残り」の一戦

<中山記念・脚質別成績>
逃げ【1-0-3-6】勝率10.0%/連対率10.0%/複勝率40.0%
先行【9-6-3-17】勝率25.7%/連対率42.9%/複勝率51.4%
差し【0-3-4-33】勝率0.0%/連対率7.5%/複勝率17.5%
追込【0-1-0-35】勝率0.0%/連対率2.8%/複勝率2.8%
マクリ【0-0-0-2】勝率0.0%/連対率0.0%/複勝率0.0%
※過去10年
中山記念は前残り傾向が非常に強いレース。過去10年全て逃げ・先行馬が勝っており、差し・追込勢は大苦戦といっていい数字。開幕週の馬場で外差しがとがめられるさまを幾度も見てきた。今年も前めのポジションを確保できる馬から重い印を打ちたいところ。
逃げ馬は複勝率4割、昨年のパンサラッサが勝利し、3着3回はいずれも6番人気以下と中穴あたりの評価でも残り目が見られる。ドーブネはもちろん、似たコース形態の福島芝1800m・ラジオNIKKEI賞で2着の実績があるショウナンマグマは買っておきたい。
先行馬は複勝率5割を超えており、このうち3番人気以内かつ前走芝2200m以下だった馬は【6-0-1-0】と圧巻の成績。該当しそうなソーヴァリアント、スタニングローズは上位にとるべきだろう。
差し、追込、マクリはあわせて【0-4-4-70】、複勝率10.3%と何枚も好走率が落ち、好走8頭中7頭が4番人気以内。穴の提供はほとんどなかった。この7頭はステファノス、リアルスティール、アンビシャス、ステルヴィオ、カラテなど1600m~1800m質で、近況も充実していた馬が多い。この組からはダノンザキッドとヒシイグアスを選択する。
GⅠ級の才能、開花へのステップ
◎ソーヴァリアント
おととし6月に勝った利尻特別は、後半5F57秒1という凄まじいタイム。1986年以降、芝2000m戦で1分台かつ後半5F57秒1以内のレースは4例しか存在せず、3歳で勝ったのはこの馬だけ。4歳以上に広げても2018年大阪杯スワーヴリチャード、2018年小倉記念トリオンフなどが加わるのみだ。オールカマーこそ心房細動で大敗したものの、連覇を達成したチャレンジCはともにワンサイドゲームだった。確かな先行力も武器。GⅠを勝てる器だけに、鮮やかな勝ちっぷりを期待したい。
◯ヒシイグアス
おととしの覇者。4角4番手から上がり最速、1分44秒9の走破時計も優秀で強い内容だった。以降香港C2着、宝塚記念2着。特にタイトルホルダーのスーパーレコードに食らいついた宝塚記念は相手が悪かったとしか言いようがない。本来ならとっくにGⅠを勝っていてもおかしくない馬だ。
前走宝塚記念から8か月を経てのレースだが、おととしの天皇賞(秋)、昨年の大阪杯は同様の長期休養明けから強敵相手にそれぞれ5着、4着にまとめている。7歳馬とあって上積みは見込みづらいだろうが、地力は高い。
▲ダノンザキッド
かつての輝きを取り戻しつつあるGⅠ馬。マイル最高峰の舞台で先行した安田記念、内枠を利したとはいえ連に絡んだマイルCS、ロマンチックウォリアーには完敗したものの2着を死守した香港Cはいずれも評価できる。
昨年の中山記念は大敗したものの、ジャンプスタートで後方の位置取りになり、道中外々を回してポジションを上げる厳しい展開で、さすがに余力がなかった。パンサラッサが踏むハイペースの中であまりにロスが大きく、情状酌量の余地はある。1年越しのリベンジがあっても不思議ではない。
以下スタニングローズ、ドーブネ、ショウナンマグマに印を回す。馬券は◎をアタマに固定した馬単とする。
▽中山記念予想▽
◎ソーヴァリアント
◯ヒシイグアス
▲ダノンザキッド
△スタニングローズ
×ドーブネ
×ショウナンマグマ
《ライタープロフィール》
東大ホースメンクラブ
約30年にわたる伝統をもつ東京大学の競馬サークル。現役東大生が日夜さまざまな角度から競馬を研究している。現在「東大ホースメンクラブの愉快な仲間たちのブログ」で予想を公開中。
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