【ホープフルS】東スポ杯からここを狙う本気度に注目 京大競馬研の本命はガストリック
京都大学競馬研究会

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狙い澄ましたローテーション必須
12月28日(水)に中山競馬場でホープフルステークス(GⅠ)が行われる。重賞馬ガストリック、グリューネグリーン、野路菊Sを勝ったファントムシーフなど、中距離重賞やオープンを戦った馬が勢揃い。現行条件で初のフルゲートでの施行となった。
有馬記念の後に行われるGⅠも競馬ファンの心の中でそろそろ定着した頃合い。今年も多数の重賞馬、GⅠ馬が眠っているはずだ。クラシックだけではなくその先の活躍も期待できそうな馬を、データを基に探していきたい。

まずはGⅠ昇格後5年間の出走馬について、前走からの間隔別で成績を調べた。中4週から中8週の馬の成績が【5-4-1-27】。天皇賞ウィークからジャパンCウィークまでに出走した馬で連対馬のほとんどを占める。
そして驚くべきことに、中3週以下の馬の成績が【0-0-1-21】ととにかく悪い。好走例は2017年3着ステイフーリッシュだけで、使い詰めを得意とする矢作厩舎であったことと、出走馬のその後の成績から中距離戦としてはあまりレベルが高くなかったことが好走要因で、基本的にはバッサリ切っても問題ない。2021年3番人気13着サトノヘリオスなど人気でも信頼できず、我々が思っている以上に、未完成な2歳馬にとって使い詰めは苦しいものであることが分かる。人気が予想されるミッキーカプチーノはここに引っかかる。最多勝が確定した矢作厩舎の力でどこまでこの不利を埋めることが出来るだろうか。
中9週以上は【0-1-3-10】。メンバーの揃う11月以降のレースはそれまでよりレベルが高くなるため、必然的に成績も落ちている。紐までに留めておくのが良いだろう。
東スポ杯組が強すぎる GⅡ格上げで強い馬がより集うレースに

次に過去5年の前走レース別成績を調べた。多くの予想記事で擦られたデータではあるが、前走東スポ杯組が【2-0-1-6】、東スポ杯勝ち馬に限ると【2-0-1-0】のパーフェクト、無難に軸にしたい。コントレイル、ダノンザキッドが東スポ杯、ホープフルSと連勝を決めており、満を持して昨年GⅡに格上げされている。勝ち馬が5年連続でのちのGⅠ馬(障害含む)になり、超出世レースとの評判がつくことで、より東スポ杯を使いたい陣営が増える好循環が生まれている。期待馬が多数出走する環境が整っているため、他の重賞よりも数段レベルが上になることが分かる。
京都2歳S組は東スポ杯強化のあおりを受けて不調。唯一勝った2017年タイムフライヤーも押し出されて1番人気。東スポ杯>京都2歳>その他重賞の型に沿った馬券の組み方を推奨する。
オープン特別からは萩S組が【2-1-0-2】と良好な成績だが、好走馬3頭は萩Sでは1番人気で、かつホープフルSが3、4戦目と少ないレース数でここに進んできた馬だった。今年の勝ち馬トップナイフは今回が7戦目と使いすぎであることと、京都2歳Sで垂れた1着馬を捉えられなかったことは気になる。
1勝クラスからは黄菊賞、紫菊賞などから好走馬が出ている。しかし勝ちきるまでには至らないため、レース内容をよく見て紐で抑える程度にしたい。前走新馬、未勝利戦からの好走は2017年3着ステイフーリッシュだけ。先述の使い詰めでの好走も含めて、名前通りの型破りな馬であった。
やはり東スポ杯組重視
◎ガストリック
東スポ杯を中団から良く伸びて勝利。2・3着馬の伸びは良かったが抜かせない根性も見事だった。先述の通り東スポ杯覇者が【2-0-1-0】のパーフェクトであることと、差しでも先行でも競馬の組み立てやすい中枠はプラスで逆らいづらい。今年は多くの新しいGⅠジョッキーが生まれた年で、三浦皇成騎手もこの流れに乗れないか。GⅠでは買いづらい騎手だったのは確かだが、3番人気以内に推されたのが2年前のランドオブリバティ、その前は2012年有馬記念のエイシンフラッシュまで遡り、実力馬に乗っていなかったのも事実。負けて言い訳の出来ない馬と枠に恵まれた。
◯ハーツコンチェルト
東スポ杯では痛恨の出遅れ。外から良く伸びたものの明らかに出遅れの響いた敗戦で、今回は普通にスタートを決めたい。東スポ杯2着以下からは好走馬が出ていないが、前走が実力ではないため巻き返しに期待できる。近年の東スポ杯ハイレベル化で、2着以下でも重賞級の力を持つ馬が揃っているだろう。ただしアタマとなると展開の利は欲しい。
▲セブンマジシャン
11月の黄菊賞勝ち馬。重馬場でも末脚衰えず大物候補。当レース勝利歴のあるC.デムーロ騎手騎乗で期待できるが、東スポ杯組以上の推し材料がなかった。当馬も前走ゲートをしくじっているため、普通のスタートを切りたい。その上でアタマとなると上位印2頭のしくじり待ちになる。
△ファントムシーフ
野路菊Sを快勝してここに臨む。前走で破ったアリスヴェリテは重賞3着になるなど頑張っており上位候補。休みすぎなのがマイナスデータ。
×ミッキーカプチーノ
こちらは評価低め。使い詰めがデータ上良くないことと、大外枠も引いたことがマイナス。前走は好時計で他馬を圧倒しており能力は折り紙付きだが、運に見放された印象だ。使い詰めについては矢作厩舎であり心配していないが、外を回して勝てるほど甘くはない。馬券入りの可能性はあってもアタマはないだろう。ここでも圧倒するようであれば私の目が曇っていたということだ。
馬券はガストリック1着固定の三連単12点で勝負。人気薄を絡めていないため配当は期待しづらいが、年の最後くらいは手堅く的中させたいものだ。(文:福山)
ホープフルS 予想印
◎ガストリック
◯ハーツコンチェルト
▲セブンマジシャン
△ファントムシーフ
×ミッキーカプチーノ
ライタープロフィール
京都大学競馬研究会
25年以上の歴史がある京都大学の競馬サークル。馬主や競馬評論家など多くの競馬関係者を輩出した実績を持つ。また書籍やGⅠ予想ブログ等も執筆。回収率100%超えを目指す本格派が揃う。
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